水熱処理事業について
水熱処理装置(亜臨界装置)とは
水熱処理とは高温高圧状態の水で有機物を処理して、有効利用する処理方法です。
水熱処理の領域は広いですが、比較的燃費の良い領域を利用しています。
温度~240℃、圧力~3MPaの装置を多く製造しています。
【水の場合】
密閉容器の中で水に圧力と温度をかけていくと、圧力22.1MPa、温度374℃で液体と気体の密度が等しくなります。(区別できなくなる)
この点を「臨界点」と言います。
臨界点以上の状態を超臨界と言います。
臨界点以下の領域の水は、
・大きな分解力をもつ
・有機物との親和性が高い
という特徴をもち、有機物を分解したり、溶かすことができます。
この特殊な状態の水を利用して有機物などを処理する方法を水熱処理と言います。
200℃程度の水の特徴
比誘電率が低い
通常の水の比誘電率は78程度であるのに対して、高温高圧状態の水(湯)の誘電率は30程度と低くなります。
このためアルコールに近い性質を持つようになり、油を溶かし込むことができます。
イオン積が大きい
高温高圧状態の水(湯)は非常に大きなイオン積を持ちます。このため大きな分解力を持ちます。
有機物を低分子化
上記二つの特徴に加えて高温高圧状態の水の分子は激しく運動をしており、有機物の結合を切断して低分子化することができます。
鳥の硬い羽根でもきれいに液状にできます。
病死した豚(60Kg)丸ごと滅菌と同時に液状化できます。
液状化技術は液肥、飼料、メタン発酵の原料などとして利用できます。
水分を吸収する紙・木くずなどと一緒に処理すると粉末状にできます。
粉末化技術はたい肥の原料、粉末燃料などとして利用できます。
水熱処理の特徴
完全密閉型処理 | エネルギーロスが少なく経済的です。 処理中に臭いが出ません。また騒音も出ません。 |
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安全性が高い | 圧力容器は法定基準に準拠しているため、耐久性や安全性が確保されています。 |
水熱処理 | 燃焼しませんので、NOx、SOx、ダイオキシン、PMの発生がありません。 |
処理時間が短い | 投入~処理~排出までの所要時間は1.5~2.0時間。(用途により変動します) |
高度な自動化 | 原料を投入したら、ボタンを押すだけです。 処理が完了したらメロディーでお知らせします。 |
経済的 | ボイラを使用することで、効率よく(90%以上)蒸気を生成できます。 ランニングコストが安い。 |
高性能の水熱処理装置(亜臨界装置)の燃料費は決して高くありません。